日本国内においては天然炭酸泉の有効利用が未だに進んでいません。近年は飲用として出回りだしましたが、炭酸泉は温泉施設の中で人工的に炭酸ガスを溶存させ炭酸泉温泉として人気を呼んでいます。
がしかし、天然の炭酸泉に比べるとその泉質には各段の違いがあります。
温泉分析書によると、遊離炭酸ガス、炭酸ナトリウム、希ガス元素類、その他カルシウム、鉄や酸化物、メタ珪酸等の温泉成分により強力な還元力を持ち、肌にはとても良いのです。
天然炭酸泉の温泉利用がなぜ進まなかったかというのは以下の理由が挙げられます。
国内の炭酸泉の9割は冷炭酸泉で18度~30度程度であるため、加温すると大半の遊離炭酸ガスが抜けて、普通の温泉になってしまう。
天然炭酸泉は遊離炭酸ガス以外にも希ガス元素などにより間欠泉が多く、ガスと源泉が一緒に出てくるために流量が安定しない。
加温設備として加熱して36℃~40℃までガス抜けを抑えて加温する方法がなかったため考案されたのが炭酸泉加温システム(カーボウォーマー)である。
以上、熱交換システム商標登録(カーボウォーマー)は、アクアシステム(株)の製品です。
炭酸泉の研究と普及を進めているシードル九州(株)代表の浦川は、湯煎実験でゆっくりと加熱すれば、20度の加温でも炭酸ガス抜けを2割程度に抑制できる事を見出し、「炭酸ガス抜けを最小限化する連続昇温法」として特許を取得しました。
その後アクアシステム(株)と共同で実際の温泉施設に設置可能な全自動加温装置「カーボウォーマー」の実機を開発し、実用新案登録を取得しました。
この装置で高濃度炭酸鉱泉を加温すれば、源泉100%掛け流しで、湯舟でも炭酸ガスの泡付きが実現できます。
しかも、加温過程ではまったく空気と触れないため酸化されず、還元泉のままです。これで温浴に利用できなかった全国の高濃度炭酸冷鉱泉を「宝の湯」にできるのです。